有意義な学習
~有意義ってなんですか?~
今年も長い夏休みが終わり、9月2日からまた学校が始まりました。
夏休み中はかなり遅い時間に起きていた生徒たちも、なんとか遅刻をせずに毎日学校に行っているようです。
さっそく、運動会など秋の行事の準備に入っている学校もあるようですね。中学生の中には前期の期末試験を控えてピリピリしている生徒もちらほら…
今回はひとりの中3生のお話です。
夏休みもほとんど終わりかけた8月31日土曜日。
M君はこの日、夜6時過ぎまで教室で勉強をして帰りました。
残された日曜日1日をはさんで、翌々日からは登校日ということもあり、帰り際に「明日は有意義に過ごそうね」と声をかけました。
するとM君。
「先生、中3生にとって『有意義』ってなんですか?」
「そんなの、ひとつに決まってんじゃん!(笑)」
「え~! さようなら(笑)」
その次の通塾日、私はM君にあるものを渡しました。
それは、8月25日に行われた都立高校受験の会場模試の結果。
なんとMくんは、1ヶ月前に受けた時の結果より、私の予想を大きく上回る伸びを見せてくれたのです。
特に数学は偏差値10以上アップ!
今までどうしても苦手だと言っていた1次関数も、なんとか人並みになりました。
作図問題も、問題文をきちんと読み取るポイントを理解できたことで、パーフェクトな解答!
英語の長文問題は、「読むスピードも上がったし、前よりも何が書いてあるか分かる部分が増えた。次はもっと点数取れそうな気がします。」
せっかく教室に来たのに、この日は模試の結果が気になってなかなか勉強が進まないM君。
よかった結果だけをいくら眺めていても、成績は上がっていかないんだよ(笑)、と心の中では思いつつも、すごく嬉しいんだろうなあ、(そういう気持ち、よ~く分かるよ)と思い直し、あえてそのままにさせておくことに。
すると、「○○高校って、入るの難しいですか?夏休みに友達と見学に行ってきて、すごく楽しかったんです。」
「えっ?!」
今までM君が志望校として挙げていた中にはまったく存在しなかった高校名が、突如浮上。
先月までの成績では、まったくオハナシにならなかった学校です。でも…
「このまま努力すれば、決して無理じゃないかもしれないよ。M君が得意なことも生かせるだろうしね。他の学校じゃできないこともいっぱいあるし、本当に入りたいんならもっとがんばろう!」
成績が伸びた、ということももちろんですが、努力すればきちんと結果がついてくるんだ、ということに気づいたことが、M君にとってはとても有意義なことだったのではないかと思います。
さらにそのことによって、今までよりも高い目標が設定できたこと、さらにさらに、もしその高校に入学できたとしたら将来の選択肢ももっとたくさん増えるかもしれないということ。
M君の今年の夏は、本当に有意義だったと言えるのではないでしょうか。
たぶん、これから受験の終わる2月までは、今まで以上に悩んだり苦しんだりするのだと思います。
でも、この暑い夏にたくさんのものを得ることができた自分自身を誇りに思って、一歩ずつ着実に進んでいってほしいと思っています。